EDの年代別の原因と対策まとめ

EDの種類をご紹介する前に、まず勃起の仕組みについて解説します。

勃起は、性的興奮が高まったときに生じる現象です。
性的興奮によって、勃起に関連する神経から特殊な物質が放出されて、陰茎海綿体に信号を送ります。

このことによって、陰茎海綿体に血液が多く流れ込み、血液が充満することで勃起が起こるのです。
勃起が完成すると、陰茎内に流れ込んだ血液が陰茎の外に流れ出ないようなシステムが働き、性的興奮が収まるまで勃起状態がキープされます。

機能的EDは、精神的ストレスによって引き起こされるEDのことで、心因性EDとも呼ばれます。

パートナーとの関係や仕事での悩み、セックスに関するトラウマなどによってストレスが溜まると、神経からの信号が上手く陰茎に伝わらず、勃起に問題が生じるのです。

一度性交渉で失敗してしまうと、「また失敗するのではないか」という不安や焦りがストレスをさらに大きくし、機能的EDを悪化させるケースは少なくありません。

器質的EDとは、神経や血管など、身体的な部分に問題が生じることで引き起こされるEDのことです。

ここからは、器質的EDの原因について解説します。

薬剤的EDとは、服用している薬剤の働きによって誘発されるEDのことです。

EDを誘発する恐れのある薬剤には、以下のようなものがあります。

EDを誘発する恐れのある薬剤

EDの原因は、一つだけとは限りません。
ここまでご紹介したような原因が複数組み合わさって、EDを引き起こしている可能性もあります。

機能的EDと器質的EDが組み合わさったEDは「混合性ED」と呼ばれます。

混合性EDの主な原因は、以下のとおりです。

混合性EDの主な原因

• 加齢に伴う高血圧や動脈硬化などの血管の障害
• 職場での立場が上がり、責任が大きくなる
• 子どもの自立や介護など、プライベートのストレスが重なる

上記のような要因が同じようなタイミングで重なった場合、混合性EDが引き起こされる可能性があります。

EDの主な治療法は、ED治療薬を使用するやり方です。
日本で処方されている代表的なED治療薬は、バイアグラ、シアリス、レビトラの3種類です。

それぞれの特徴は、以下の表をご覧ください。

バイアグラ・シアリス・レビトラの特徴

バイアグラについてもっと知りたい方は、こちらの『バイアグラまとめ』をご覧ください。

レビトラについてもっと知りたい方は、こちらの『レビトラまとめ』をご覧ください。

シアリスについてもっと知りたい方は、こちらの『シアリスまとめ』をご覧ください。

薬以外の治し方としては、特別な器具を用いたやり方もあります。
現在、日本で手に入る唯一の陰圧式勃起補助具は、厚生労働省から認可を受けた「Vigor(ビガー)2020」です。

ビガーの仕組みは、ポンプの働きで陰茎に圧力をかけ、陰茎海綿体に血液が流れ込むように促して勃起をサポートするというものです。
飲み合わせなどの理由でED治療薬を使用できない方や、薬を服用しても効果を得られなかった方などに適しています。

また、あらゆる治療をしても効果が感じられなかった場合、最終的な手段として手術を行うこともあります。
EDの手術は「陰茎プロステーシス手術」と呼ばれ、陰茎海綿体の内部にシリコン製のインプラント(プロステーシス)を移植するものです。

心因性EDの場合は、パートナーとしっかり話し合って、人間関係を改善することが重要です。
まずはパートナーを不安にさせないように、EDに関する正しい知識を一緒に学びながらシェアしていきましょう。

夫婦やカップルの間に存在する問題を解決するために、彼女や妻と一緒にカウンセリングを受けるのもおすすめです。

運動不足や食生活、飲酒、ストレス、喫煙などの生活習慣がEDの原因になることもあります。

ここからは、普段の生活で気をつけるべきED対策についてご紹介します。

10代・20代のEDの主要な原因としては、精神的なストレスやプレッシャー、緊張などです。
とくに高校生など10代の方は、学業や人間関係、将来への不安など、10代独特の問題がEDを引き起こす可能性があります。

また20代の方は、性行為の経験が少ないことから性行為自体に緊張してしまい、満足な勃起が生じなくなってしまうケースがあります。
そして一度性行為で失敗すると、その経験がトラウマとなり、さらなる失敗を促すという悪循環になりかねないのです。

10代・20代の男性がEDの初期症状を経験するとき、そのことを早期に認識することが大切です。
勃起の硬さが十分ではない、勃起が持続しない、性行為のときに勃起をキープできないなどの症状は、EDの警告サインであることを知っておく必要があります。

早期の認識と対策が、これから先も快適な性生活を送るために重要です。
医者に相談して対策を試したり、ED治療薬という選択肢について考えてみても良いかもしれません。

ED治療薬についてもっと知りたい方は、こちらの『ED治療薬まとめ』をご覧ください。

30歳以降の男性に見られるEDは、20代と同じく、精神的なプレッシャーやストレスからくるケースが多いです。

しかし20代の頃とは異なり、家庭や仕事で責任のある立場になる時期であるため、日々のストレスが募ることでEDを引き起こしやすくなる傾向にあります。

また近年では、妊活に対してプレッシャーや焦りを感じ、EDになってしまうケースも問題になっているのです。

40代は中年と呼ばれるようになり、高血圧や脂質異常症など、生活習慣病に悩まされる方も増えてきます。
これらの生活習慣病は、EDの引き金となる動脈硬化を引き起こしかねないので、注意が必要です。

また40代の男性は、若い頃よりも勃起の硬さを感じられなくなったり、持続時間が短くなったりして、性行為に対してストレスやプレッシャーを感じやすくなります。
このように40代は、身体的な衰えと精神的ストレスの両面から、EDを発症しやすい年代といえます。

30代・40代のEDを予防するためには、普段の生活習慣を見直すことが大切です。
バランスの整った食生活や適度な運動、禁煙などを心がけ、健康的な生活を送りましょう。
困った時は、医者に相談することも検討してみてください。

ED治療薬についてもっと知りたい方は、こちらの『ED治療薬まとめ』をご覧ください。

50代・60代になると、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を抱える方がますます増加します。
その分、EDの症状に悩む方も多いです。

また50代以降になると、性行為自体への緊張やプレッシャーというよりは、性欲減退に悩む方が多くなります。
性欲のもととなる男性ホルモンの分泌量は、加齢に伴って減少していくからです。
50代以降になると、若い頃のように性欲がわかず、性的刺激を受けてもセクシャルな気分になることなく、EDを発症するケースもあります。

50代以降のED治療は、原因や症状に応じて柔軟に行うことが大切です。
ED治療薬の服用や生活習慣の見直し、適度な運動などを総合的に行い、EDの改善を目指します。

また心因性EDの場合は、リラクゼーション法やカウンセリングなどの心理的サポートも重要です。

EDの初期症状としては、以下のようなものが挙げられます。

EDの初期症状

• 夜間勃起現象(朝立ち)の頻度が減少する
• 挿入はできるのに途中で萎えてしまう(中折れ)
• 性行為を楽しめず、満足感が得られない　など

またEDかどうかをセルフチェックする基準として「EHS(Erection Hardness Score：勃起の硬さスケール)」があります。
EHSは勃起時の硬さをチェックする指標であり、以下のような4つのグレードに分けられます。
ご自身がどのグレードに当てはまるか、チェックしてみてください。

勃起の硬さスケール

• グレード 1：大きいが硬くない
• グレード 2：挿入できるほどの硬さがない
• グレード 3：挿入できる硬さはあるが、完全に硬くない
• グレード 4：完全に硬く硬直している

A.EDの原因は多岐にわたりますが、場合によっては、彼氏や彼女の言葉や行動に傷ついたことが原因になるケースもあります。

性行為が上手くいかなかったときに、パートナーに「いつになったらできるの？」「浮気しているから私とはできないんじゃないの？」などと責められたら、男性のプレッシャーやストレスとなってEDを悪化させる恐れがあります。

また結婚している夫婦の場合、2人の関係性が良好であるがゆえにEDになる可能性もあります。
妻が夫に対して恥ずかしいという感情を抱かなくなり、ゲップやオナラなどを夫の前で平気でするようになると、夫は妻に対して女性というよりも家族といった感覚になり、性的興奮を感じられなくなるのです。

また妻が女性として魅力的だとしても、性行為に変化がないことでマンネリ化し、妻との性行為で勃起しにくくなるケースがあります。

A.彼氏や夫がEDの場合、パートナーも一緒に健康的な生活を心がけるのがおすすめです。

一緒に運動したり、健康的な食事をとったりすることで、彼氏や夫の生活習慣も自然と良くなり、ED対策につながります。

また男性がプレッシャーを感じずにリラックスして性行為に臨めるよう、パートナーがEDを受け入れる姿勢を見せて、安心感を与えてあげるのも大切です。
性行為が上手くいかなくても、相手を責めるのではなく、寄り添いの姿勢を見せて丁寧なスキンシップを心がけましょう。

またマンネリ化を防ぐために、今までとは異なるシチュエーションや体位を試してみるのもおすすめです。
新しい刺激を生み出すことで、勃起の促進につながるでしょう。

A.新型コロナウイルスが体内の血管にダメージを与えると、さまざまな後遺症が引き起こされるといわれています。

コロナの影響によって、陰茎などの勃起に関わる血管が損傷すると、ペニスへの血流が悪くなってEDを誘発する恐れがあるのです。

A.「彼氏や夫のEDは自分のせいだ」と思い込んで、離婚したり別れたりする必要はありません。

EDの原因はさまざまであり、生活習慣病や仕事のストレスなどが関連している可能性もあります。
EDは不治の病ではなく、原因に応じて適切に治療を行うことで治る病気です。

別れることや離婚を考える前に、EDに悩むパートナーともう一度向き合い、原因や治療法を検討してみましょう。

A.中折れはEDの症状の一つですが、朝立ちしない人がEDだとは限りません。

朝立ちしないことや中折れが一時的なものなら心配しすぎる必要はありませんが、症状が続く場合はED治療が必要になるケースもあります。

放っておくと症状が悪化する恐れもあるので、少しでも気になる点があれば医師に相談してみてください。

A.健康状態に異常のない心因性EDで、かつ症状が軽度の場合は、生活習慣の見直しやストレス対策などによって自力で改善するケースもあります。

しかし器質的EDの場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあるので、自己判断で放置するのは危険です。

EDの症状がある場合は、何らかの病気が隠れているかどうか見極めるためにも、まずは医療機関を受診するのがおすすめです。