毛じらみとは?症状・原因・治療方法・対策まとめ

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毛じらみは、シラミの1種であるケジラミによる感染症で、毛じらみ症とも呼ばれています。
一般的な感染経路は性行為であり、直接陰毛が接触することにより感染する性感染症です。
しかし、親密な家族間やタオルなどの物品を介して、間接的に感染してしまうこともあります。

今回は、毛じらみの症状や原因、治療方法などについてご紹介します。
毛じらみかもしれないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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select aid編集部
荻野 豪俊

ディレクター歴9年・ライター歴2年。情報をまとめることに情熱と脂肪を燃やしています。

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毛じらみとは

毛じらみとは、陰毛に吸血性の昆虫「ケジラミ」が寄生することで起こる性感染症です。

感染部位である陰毛周囲の皮膚にケジラミが吸血することで、強い痒みの症状を引き起こします。
ケジラミを放置すると繁殖して増え続けるため、感染を広げるリスクが高くなります。

毛じらみは、戦後に全国で流行しましたが、衛生管理が整った近年では少なくなっている病気です。

しかし現在でも、感染者がゼロになったわけではありません。
他の性感染症と同じように、1970年代中ごろから増加し、いったんやや減少したものの、1990年代中ごろから再び増加傾向にあります。

原因

毛じらみは上述の通り、シラミの一種であるケジラミが原因の病気です。

毛じらみに感染する主な原因としては、陰毛が直接接触する性行為が挙げられます。

ケジラミは血液を栄養源としており、人のみに寄生して吸血します。
吸血をされることによって痒みを感じることもありますが、感染からおよそ1~2ヶ月後に症状が出てくることが多いです。

大きさは、保育園などでときどき流行する、アタマジラミよりも小型です。
カニに似た形をしているので、見分けるポイントになります。

肉眼でギリギリ見えるくらいの大きさで、成虫は茶褐色を帯びた白い色をしていて、卵は灰色~白色で光沢がある虫です。

感染経路

毛じらみの主な感染経路は、性行為による陰毛の直接接触による感染がほとんどです。

基本的に、毛のある場所であれば寄生できるので、陰毛が頭髪や顔の毛、その他の体毛と接触した場合、その部分に感染が広がってしまうことがあります。

一般的な感染経路である性感染症以外には、家庭内で感染が広がることもあります。
なかでも、接触が濃厚な母子間の感染が多いです。

その他、毛布などの寝具や便座カバー、タオルなどを介する間接的な感染もあります。

しかし、ケジラミは、人から離れると長く生きられません。

また、1日かけても10cm 程度しか動けないため、間接的な感染は少ないと言えます。

症状

毛じらみの主な症状は痒みです。これは、ケジラミが吸血を行うことにより、唾液に対するアレルギー反応が起こることで現れる症状であると考えられています。

痒みの強さは人それぞれなので、数匹でも激しい痒みが出る人もいれば、多数のケジラミが寄生していても無症状の人もいます。

毛じらみに感染してから症状が出るまでは、1~2ヶ月くらいかかることが多く、感染初期~中期は無症状であることが多いです。
しかし、その期間もケジラミはどんどん増えていき、感染後期になると激しい痒みに襲われます。

ケジラミの繁殖段階は、卵、幼虫、成虫の3段階です。

成虫が卵を産み、体毛につくと、1週間くらいで卵が孵化します。
幼虫になり、脱皮を繰り返しながら吸血し、2~3週間で成虫になります。
卵が成虫になり、死ぬまでのサイクルは1ヶ月程度です。

またケジラミの見つけ方として、下着に茶色や黒色の点のような汚れがあること、掻いた場所の痛みや赤みがあることなどが挙げられます。

ケジラミの卵は、セメントのように毛の生え際にしっかりくっついているので、動きません。
これが、肉眼でも分かりやすい、ゴミやホコリとの見分け方です。

男性の症状

毛じらみの症状は、男女ともにほとんど同じで激しい痒みが出ます。
男性では、陰毛周囲のほか、ひげや胸毛などの周囲の皮膚に痒みが出ることがあります。

ケジラミは主に陰毛に寄生しますが、毛のあるところなら基本的にどこにでも寄生することが可能です。

男性が感染する可能性がある部位は、以下のとおりです。

男性が感染する可能性がある箇所

  • ひげ
  • 頭髪
  • まつげ
  • 肛門周囲
  • 脇毛
  • 胸毛

痒みの程度には個人差がありますが、ケジラミは自然にいなくなりません。
そのため、治療をしなければ、どんどん繁殖してしまいます。

毛じらみの症状による痒みは、皮疹のない痒みです。
しかし、掻き壊してしまうと、湿疹が出てしまったり、二次感染を起こして悪化してしまったりすることがあります。

女性の症状

女性の場合も男性と同じで、感染部位の激しい痒みが主な症状です。
感染部位は陰毛がメインですが、毛のある場所であればどこでも寄生できます。

女性が感染する可能性がある陰毛以外の部位は、以下のとおりです。

女性が感染する可能性がある箇所

  • 頭髪
  • まつげ
  • 肛門周囲
  • 脇毛

男性の症状でも説明した通り、毛じらみの症状による痒みは皮疹のない痒みです。
しかし、掻き壊してしまうと、そのことが引き金となって皮疹が出てしまったり、二次感染を起こして悪化してしまったりすることもあります。

そのため、男女問わず早期の治療が必要です。

潜伏期間

毛じらみの症状が出るまでの潜伏期間は、1~2ヶ月程度です。

しかし、症状が出ていない間もケジラミの繁殖は続いていて、他人にうつしてしまうことがあります。

そのため、症状がなかったとしても毛じらみに感染している可能性があるので、お互いにうつし合わないよう、パートナーとは同時に検査や治療を行う必要があります。

検査と費用

毛じらみの検査は、拡大鏡を使い、患者の患部にケジラミがいるか、また卵があるかどうかを観察します。

ケジラミの成虫は、褐色を帯びた白色です。
それをピンセットで取ると、足を動かす様子が見られます。
成虫や陰毛についた卵を顕微鏡で観察することで、確定診断ができるのです。

また、検査可能な時期については、症状が出ていなかったとしても、卵や成虫が確認できれば診断可能です。そのため、疑いがあればいつでも検査ができます。

検査方法(保険診療)

毛じらみの検査が保険適応となるかは、各医療機関の治療方針によって決まります。

そのため、受診する前に確認しておくと良いでしょう。

顕微鏡による視診では、自費で2,000円程度かかります。

しかし、保険適応により1割~3割負担になるので、人によっては200~600円程度かかると考えられます。

検査方法(自由診療)

毛じらみの検査は、自由診療でも保険診療と同じく、顕微鏡などによる視診で診断をします。

自費の場合は、診察で3,000~5,000円程度、検査で2,000円程度かかります。

費用については医療機関ごとに異なるので、各医療機関に確認してください。

治療方法と費用

毛じらみの治療方法は、大きく分けて剃毛と外用の薬剤による治療の2つです。

現在、日本で認可されている薬は一般用医薬品しかないため、市販薬で治療を行うことになります。
値段は、1本あたり2,000~3,000円程度で購入できます。

原因が分からない陰部の痒みがあり、毛じらみの疑いがあるときには医療機関を受診しましょう。

受診する診療科は、皮膚科、性病科、泌尿器科、産婦人科です。

治療方法(保険診療)

現在、毛じらみに使用できる保険適応の薬剤はありません。

また、毛じらみの治療には、剃毛と薬剤の塗布以外ないので、保険を使ってできる毛じらみの治療方法はないのです。

諸外国では、複数のシラミ治療薬が存在しているので、日本でも医療用として使える治療薬が承認されることが望まれます。

治療方法(自由診療)

毛じらみの治療方法として、一番安くて確実な方法は剃毛です。

しかし、すべての毛を剃ることは困難です。

そのため、薬剤による治療方法があります。
現在、日本では市販薬として売られている、フェノトリンという成分の薬剤を使って治療します。

種類が2つあり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

薬剤名・概要まとめ

薬剤名

特徴

使用方法

値段

スミスリンパウダー

  • 人体だけでなく、下着や寝具、部屋にも使用できる

適量を振りかけ、1時間程度放置して洗い流す

2,000円程度

スミスリンLシャンプー

  • くしがついていて、使いやすい
  • 待ち時間が短い

水で濡らしてから、シャンプーをするように揉み込み、5分待って洗い流す

2,500円程度

以上のような違いがあるので、自分に合ったものを選択するといいでしょう。

治療薬について

現在、日本で毛じらみの治療薬として認可されているものは、外用の一般用医薬品しかありません。
ピレスロイド系化合物であるフェノトリンのみで、スミスリンパウダーとスミスリンLシャンプーの2種類があります。

これらは、駆虫剤でケジラミの駆除に用いられますが、卵には効果がありません。

産み落とされた卵が孵化したら、幼虫を殺すために繰り返し使用する必要があります。

治療の流れと治療期間

毛じらみに感染していることが確認されたら、治療を行います。治療は、剃毛か薬剤を使用してのケジラミの駆除です。

0.4%フェノトリン製剤を使った治療は、卵への効果がほとんどなく、孵化した幼虫を殺していきます。

そのため、3日に1回、3~4回程度繰り返し薬剤を塗布する必要があります。
このように、治療は2週間程度かけて行われるのが特徴です。

痒みなどの症状がなくなり、卵や虫が完全に駆除されたことを確認できれば、治療は終了です。

完治までは、1~2ヶ月程度かかります。

予防方法

毛じらみは陰毛の直接接触が原因で感染するので、他の性感染症とは異なり、コンドームで予防できません。
そのため、感染者との性行為自体を避ける必要があります。

日常生活での予防方法は、布団や毛布を共用にしないこと、下着やシーツを毎日交換すること、清潔が確保されていないところでは便座シートを使わないことなどです。

また、55℃以上のお湯や熱風に5分以上当てると、ケジラミは死滅します。

洗濯の際には、アイロンや乾燥機、ドライクリーニングなどで熱処理をすることも、効果が期待できます。

注意点

毛じらみ症に感染してしまった場合、ケジラミの駆除には2ヶ月程度かかります。

治療中はまだ完全にケジラミが駆除できていないので、パートナーの感染を防ぐためにも、性行為は控えましょう。

また、パートナーや家族と交互に感染を繰り返すピンポン感染を防ぐためにも、一緒に医療機関を受診して治療を行う必要があります。

毛じらみのクリニック

毛じらみの診察は、皮膚科、性病科、泌尿器科、産婦人科などで行っています。
対応可能なクリニックの場合、診断や治療方法について相談できます。

Q&A

毛じらみについてよくある質問をまとめました。

Q.自然治癒しますか?

A.毛じらみは残念ながら、自然に治ることはありません。

何もせずに放置する日数が長くなるほど、繁殖を繰り返してケジラミが増え続けてしまいます。
人を宿主に吸血して繁殖するので、自然にケジラミはいなくなりません。

Q.妊娠・出産への影響はありますか?

A.毛じらみは、妊娠・出産への影響は特にありません。

しかし、パートナーや同居している家族にも感染させる危険性があるので、発覚したらすぐに治療を始める必要があります。

また、妊娠中でも、治療に使用するスミスリンパウダー®、スミスリンシャンプー®は使用できます。

Q.お風呂やトイレ、タオル共有で感染しますか?

A.お風呂の水を介して感染する可能性は低いですが、体を拭くときに使用するタオルを介して感染する可能性は高いです。そのため、タオルの共用は避けましょう。

またトイレに関しては、便座カバーを介した感染や、公衆トイレで陰毛が便座に触れたり、残ったりして次の人が接触してしまうと、感染が起こる可能性があります。

Q.パートナーが陽性になりましたが、自分は症状がありません。感染しているのでしょうか?

A.毛じらみ症は、感染してすぐに症状が出るわけではありません。痒みの症状を自覚するまで、1~2ヶ月程度の時間がかかる場合が多いです。

そのため、気づかずに感染している可能性もありますので、パートナーと一緒に医療機関を受診してください。

Q.性行為をしていない人からうつりますか?

A.毛じらみ症の感染は性行為が主ですが、陰毛の接触により感染するため、タオルや毛布を介して感染することもあります。

また、水着の試着やトイレの便座カバーからの感染もあり得ます。
家族内感染に、特に注意が必要です。

Q.完治しますか?

A.毛じらみは、きちんと治療を受ければ完治する疾患です。医師の指示に従って治療を受けるようにしましょう。

また、治療は自己判断で中止することなく、きちんと診察を受けて、医師に完治の確認をしてもらうようにすることも重要です。

Q.コンドームで予防できますか?

A.毛じらみは、コンドームを着用しても予防できません。

コンドームを着用した性行為でも、陰毛と陰毛は接触してしまうので意味がなく、毛じらみに感染してしまいます。
毛じらみの感染が疑われる相手との性行為は避けましょう。

Q.ペットからうつりますか?

A.ケジラミは基本的に人にしか寄生しませんが、一緒に生活している場合、毛の多いペットにはケジラミが寄生している可能性があります。

ペットも含めて確認し、まとめて治療をしないと、次々に感染してしまうピンポン感染が考えられます。

まとめ

今回は、毛じらみの症状や原因、治療方法についてご紹介しました。

毛じらみは強い痒みが特徴の性感染症で、コンドームなどによる予防もできない疾患です。

症状などに心当たりがある場合は、医療機関を受診し、毛じらみに感染していた場合はパートナーや家族にも受診をすすめましょう。